印象的な言葉
2人の患者さんから同じ日に言われた印象的な言葉。
1人は30代の方で、
一時は命も危険な状態で人工呼吸器やら色々やったが、時間をかけて少しずつ、でも着実に良くなって来ていた。
「入院が長くなって来たので、疲れていませんか?」と言う私に対して、
「ご飯が自分で食べられるだけで幸せです。がんばります。」
と、笑顔で答えてくれた。
こちらも泣くほど嬉しかった。
この方は、2ヶ月後くらいに歩いて退院した。
もう1人は40代の方で、
気がついた時は癌が相当悪くなっていて、もう手がつけられない状態だった。
お母さんとワンちゃんと暮らしていて、
入院中も2人のことをずっと心配していた。
ぱっと見コワモテなのに、回診に行くとよくペンギンの動画を見ていた。
一時帰宅して病院に戻って来て、
「おうちはどうでしたか?」と聞いたら、
「あと10年は生きたかった」
と言われ、号泣された。
私は泣いてはいけないと、我慢するのに必死で、
なんと声をかけていいかもわからず、
「私たちがみんな力になりますから、いつでも言ってください」
としか言えなかった。
この方は程なくして亡くなった。
私はなんの力にもなれなかった。
あの日から2年くらい経つ。
いつまでも忘れないだろうと思う。
忘れずに心に留めておけるのが私の医者としての強みでもあるのだけど、
大きな弱さでもあると自覚している。
医療者として期待されることに応え続けるのには、精神力も、体力も必要だ。