医者である意味
医者の中には、
自分が医者であることを自分から言う人と、
必要がなければ言わない人がいる。
私は後者だ。
特に医療従事者以外の方に医者であることがバレると、
医者という色眼鏡を通してしか接してもらえなくなるからだ。
特に女医ともなると、
バレるとまず引かれるし、
話し方が変わるし、
健康相談が始まることもある。
病院外で知り合った人とは、
そのコミュニティの話を普通にしたい。
ただそれだけだ。
自分が医者であることに意味をどのくらい見出しているかは人によるんだろう。
場面によっても変わるかもしれない。
私にとって医者であることの意味がどのくらい大きいか。
ちょうど考えている。
医者あるあるの一つに、
研究医になるわけでもないのに博士課程に進むというものがある。
私も今その段階にあり、ありがたいことに大学院のことに専念させてもらっている。
医者として働いている時間は、外勤と当直の時だけである。
手術もカテーテルもない。持ち患者もいない。
医局の他の人に引け目はやや感じるものの、
それを除けば嫌なことがほとんどない。
手術から離れて思うのは、別にやらなくていいならそれでも全然大丈夫ということだ。
救急とか急変で叩き起こされることもないし、
休みの日に患者さんの方が気にかかっておちおち休んでいられないということもない。
やっぱり、外科医には向いてないのか。
そうだろうな。
外来はそこまで嫌いではなくて、
むしろ多少なりとも医者として働いている方が自分のスキルを世の中に還元できていることに満足できるので、
私にとって医者であることはまだ意味があるが、
外科医であることにはあまり意味がない。
ということなのかもしれない。
緊急手術となれば目を輝かせ、血が騒ぐ、
天性の外科医とは土俵が違うのだろう。
それが知れただけでも十分だ。